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小林よしのり
2016.7.23 03:28日々の出来事

田中卓先生からの連絡


田中卓先生から電話があった。

週刊ポストの所功氏とわしとの対談を読んで、連絡して

くれたのだ。

 

田中卓先生と言えば、神武天皇の実在を徹底的な史料検証で

証明したおそるべき古代史の大家である。

 

わしは普段、仕事場にいないので、田中先生はいつも岸端に

いろんなことを伝えてくれる。

そもそも男と男は違う分野で活躍する者同士は、師弟関係にも

なれず、照れや遠慮があって直截な話ができない。

間に女性が入ると、うまく伝わるということがある。

岸端は皇室に関しては相当の基礎知識があるから、

田中先生も話しやすいのだろう。

 

昨日は午後から井上達夫氏との対談があったから、岸端が

会議室から抜け出して、田中先生の意向を十分に伺った。

田中先生は所氏の「女系がダメだとは言わないが、どちらかと

言えば、男系優先」という本音を見破っていて、そこが現れた

部分が気に入らなかったようだ。

「もうそんな事態ではない」という考えは、実はわしとまったく

一致する。

 

男系絶対固執の観念は、日本の伝統でも何でもなく、支那の

「男尊女卑」の観念である。

「男尊女卑」の観念だけが残って、「皇統」が断絶するのでは、

話にならない。

 

92歳になって「これからは世界的に女性の時代なのだ」と

明言することができる田中卓先生の感性には本当に驚く。

わしも90歳過ぎても、懐古趣味に陥らない、時代の潮流を

見誤らない感性を維持できるかどうか?

頑張らなければならない。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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